ふつうの行動が教えられていない

 

各組織のプレイングマネージャーは、
「そんなことは、ふつう、あたりまえ」
「いちいち、具体的に教える必要はない」
「具体的に教えると考えない人材になる」
と口にする。

マニュアルやチェックリストに、
ふつう、あたりまえの行動が
具体的に記述されることはない。

日々、ハイパフォーマーの行動を観察、
ピンポイント行動をみつけ、形式知に
していると気が付くことがある。

①そもそも、ハイパフォーマー自身が、
 ”ふつう””あたりまえ”の行動を
 具体的な言葉にできない。
 「みればわかる」
 「きけばわかる」
 「においでわかる」など。
 このレベルで言語化を終える。
  
②実は、ハイパフォーマー自身が、
 ふつう、あたりまえの行動が
 何かを特定できない。

 「その場に行くとわかる」
 「その場に直面しないとわからない」
 など。このような言語化で終える。

なぜ、具体的な言葉にできないのか?
なぜ、特定できないのか?

ハイパフォーマーは、日々、
ふつう、あたりまえの行動を繰返す。
繰返し行うことで、行動は自動化される。
自動化された行動は、言語化・具体化が
できなくなる。

その結果、
各組織ではふつう・あたりまえの行動は
教えられなくなる。10人中8人以上の
できない人とふつうの人達は、
パフォーマンスがあがらない。


各組織のできない人とふつうの人に
共通することがある。

各組織でふつう・あたりまえとされる行動
ができていない、習慣になっていない。

プレイングマネージャーの上司が、
このことに気が付かない原因は、
できない人・ふつうの人に不足する
行動習慣を特定するやり方を知らない。

そもそも、上司の多くはハイパフォーマー。
その上司は、できない人・ふつうの人の
行動習慣を持ち合わせていない。

「上司がプレイヤーも兼ねている」
「残業時間短縮が戦略課題になっている」
その結果、
「部下に同行する時間がない」
「じっくり育成する時間がない」

というような原因は、たしかにある。
しかし、これが真因ではない。
真因は、ハイパフォーマーの上司が、
できない・ふつうの部下の行動習慣を
知らないことにある。

もし、上司に教える時間ができても、
できない部下・ふつうの部下の
パフォーマンスは、あがることはない。

このような事業環境の中で、
人材を育成するには、属人的なOJTを
誰がやっても同じ結果がでる
体系だったOJTに変えていく必要がある。

すぐにできることは、営業であれば、
お客さんと接触した直後の挨拶の声の
大きさを具体的な数値で特定し、
それを習慣形成すること。

例えば、通常、親しい人と話をする時の
音量を“1”。お客様に接触した直後に、
挨拶をする音量は“1.5から2.0倍”。

これで、やり方は具体化される。

次は、習慣形成。

営業所の出入り口にデシベル計を置き、
決められた音量で声が出せるまで、
営業所から出ることができなくする
企業もある。

さらに一歩踏み込んで、出入り口で
立ち止まる行動を増やすために、
床面に挨拶線をビニールテープでひく、
足跡のシールをはる営業所もある。

そこまでやることで、パフォーマンスが
下位2割の人の行動習慣を変えることが
できる。

ただし、組織毎に行動の習慣形成の
やり方は異なる。
□    できない人とふつうの人のレベル
□    教える立場にある人のレベル
□    企業と各拠点を規制する法律
これらを踏まえたうえで、習慣形成の
環境をつくる必要がある。

スモールステップにそって、
1つ1つの行動を習慣にしていくことで、
想定している期間の1/3から1/5で
できない人とふつうの人は、
できるようになる。

まずは、数字をつくるための
職務固有の基本のやり方を誰がみても、
同じ解釈ができるレベルまで具体化する。

確実に組織の数字は増える。