実際に組織行動を変容した事例をご紹介していきます。ご不明な点がありましたらinfoへお問合せください。
行動分析学は心理学のカテゴリーに属します。しかし、行動を基準にし、物事 をみるという、他の心理学にはない特徴を持つ。行動分析学が焦点を合わせるの は行動。但し、第三者が観察可能なものだけが行動ではない。目には見えない思 考も1つの行動。目に見える行動だけが行動ではないということ。行動科学マネ ジメントもこの考え方をベースにしている。
科学の一分野を標榜するからには実験再現性がなければなりません。数学や物理の式のように「いつ、誰が、どこでやっても」同じ結果を得ることができてこ そ科学です。行動分析学者は、人間の行動を理解するために、物理化学者と同じ 科学メソッドを用いています。そのひとつが「実験再現性」という尺度で、同じ 条件下では同じ結果が得られるという要件を満たしながら誰でも同じように再現 できる行動を定義づける。
売上は順調に伸長。しかし、広告制作部門の残業時間が、毎年増加。利益率を圧迫。マネー ジャー12名がワークショップを通じて、①部下がつまずく行動を特定。“教える内容”を具体 化。② 教える内容を部下に習慣化するための“教え方”を標準化。これらを実施することで、3 か月間で、残業時間が平均2.5時間短縮することができた。顧客からのクレームや手戻り率 も、約30%下げることができている
従業員の平均客単価が、教える仕組みの導入を開始してから4か月間で、122万円から183万円 へ増加(150%増)。行動を再現させる仕組が確立されたことで多店舗化とFC化に着手。下位8割 を底上げする仕組みができたことで、採用基準を下げた。
教える仕組みを使わないパフォーマンスが下位8割の中堅社員は、【初回面談数 7~15件/月、次回アポイント数 4件/月】。 それに対して、教える仕組みを使った新人の平均は、【初回面談数 5件/月、次回アポイント数 4件/月】。新人はできる人の行動が、再現できている。FC展開をはじめ、いまでは16社になっている。 ※次回アポイントが獲得できれば、ほぼ成約が決まる。
九州。優秀な人は県外へ出てしまっている。優秀な人の採用はできない。採用コンセプ トを180度変え、できない人の採用数を増やし、数字をつくった。
業界平均の1.5倍以上の給与・賞与を出している。しかし、社員は「少ない」という。 「目標が高すぎて達成できない」という。年々、業績が下降。営業利益が3.6億円の赤字に なった。後1.5年は、内部留保と遊休資産を切り崩して、しのぐことができる。この事実を共 有しても、社員の危機感は高まることは一切無い。 そこで、目標を達成するために必要なピンポイント行動を、各階層ごとに特定。その行動の数 を増やすためのやり方と環境を整えた。その結果、社員の行動量が明らかになり、社員からの 理不尽な発言は無くなっていった。行動の数に基づき、上司部下の面談を実施。ピンポイント 行動の数を増やすための階層別のトレーニングも内部で実施。毎年数千万、外部に流出してい た研修費用を削減することにもつながった。 その結果、社員の行動量が徐々に増え、業績数字も増えていった。その結果、赤字に転落後、 1年後には1.2億円の黒字を計上。まず、各社員の行動の数に応じて、賞与金を支給。誰一人と して、辞める社員はいなかった。
6か月間に、3拠点で5件の事故が発生。軽微な事故が4件、大きな事故が1件。過去5年間の事故を調べた結果、過去に発生した事故と同じ事故が、全事故の75%を占めていることがわかった。過去に発生し対策したはずの事故が繰返し発生している。
事故発生直後に本社安全推進室が現場で事情聴取をし、現場とつくる対策の中には、意識する、確認する、注意する、点検する、検討する、徹底する、周知する等の曖昧な言葉が羅列。もっともらしく聞こえる対策。当然これら曖昧で人によって解釈の異なる言葉を使った指示が、日々あたり前のように各所で行われている。※事情聴取の目的が、犯人捜しになっており、その結果、ヒヤリハットが現場から本社へ報告されない。
事故対策時に現場で行動習慣の観察を実施。対策の具体的なやり方は、1人1人異なる。しかし、この現状を問題視する人は、誰もいない。例えば、指差し呼称をする際に、本来観るべき対象物を観ずに行われる。他の作業者からの無線連絡を受ける前に、作業を開始する等。そこで、この状況を変えるため、以下の順番で行動変容を進めた。
各所の所長とNo.2を担う助役(副助役を含む)を対象に、①職場の誰もが知っている、指差し呼称などの基本行動のやり方の行動分解から実施。1人1人やり方が異なることが判明。同じやり方をする人がいない。各自、我流で作業をしていた先輩に教わってきている。正しい作業の仕方と正しい状態が、誰一人わかっていないことが判明。過去の事故対策が集約された作業要領は各自が持歩いている。しかし、作業要領に書かれているやり方は、1人1人解釈が異なる曖昧な言葉で記述されている。そのため、正しい作業の仕方は、人によって異なる。②具体的な行動の言葉で伝え・教え、行動習慣を形成するトレーニングを5カ月実施。③事故対策の内容を、誰でも同じように再現できる具体的な行動で再記述。
しかし、具体化した行動をやり続ける人は10人中6人程度であることが判明。残りは、我流のやり方を変えようとしない。特にベテラン。彼らが繰り返し事故を再発させた。
事故対策のやり方と作業要領を具体化することは最低限必要。しかし、それを組織の行動習慣にするには、別のアプローチが必要になる。彼らが日々習慣にしている危険行動の中に、負担感が発生しないピンポイントな安全行動を組込むことを開始。
ピンポイントな安全行動は、以下に集約できた。
☑ 立ち止る ☑ 徐行する ☑ 目で観る ☑ 耳で聴く ☑ 指でさす ☑ 手で握。るこのポイントをおさえ現場が負担感を抱かない”正しい行動”を具体的に習慣付ける訓練を実施。その結果、開始から2年で繰返し事故は無くなった。
120店舗を持つ飲食チェーン。上場後、店舗数の急拡大によりCSが低下。それに連動し、ES も低下していった。課題は、① スタッフが入店”直前”のお客様に声をかける。② スタッフが お客様の追加オーダー”直前”に気が付き近づく。③ 店長が嫌いなスタッフに毎日接触、教え、 行動を承認する。この3つの課題は、スタッフが”お客様をみる”行動と、店長が”スタッフをみ る”行動から習慣づけることで解決できる。しかし、簡単な行動は習慣化が最も難しい。その 理由は、できない人は、簡単なことを教えられると、自尊心が傷つき、反発するため。そこ で、行動科学の確立操作・プロンプトの理論にもとづき、”行動を習慣付ける環境”を設計。そ の結果、わずか6ヶ月間で、CSを全店平均”68点”から94点へに引上げることに成功。その後、 行動評価の仕組みなどの導入を続けている。
既存店売上が毎年減少傾向にあった。「店舗ビジネスは、店長の”腕”しだい」と役員一同、思い込んでいた。優秀な店長を採用しようと活動を続けるも、優秀な店長は、1年から2年で辞めていく。残った店長は、腕の無い人のみ。
この状況を打開するために、まずはエリアを絞り
業績を上げる行動パターンと、
行動パターンが継続できる仕組みをつくった。
① 具体的に指示をする。具体的に日々話をする
② それが負担感なく続く環境をつくる
この2点にしぼり、取り組みを開始した。以下は、その結果。
IPO案件数の増加により、銀行・証券営業の担当者をIPO部門へ移動させた。IPO部門のプロ パー社員は、自分のノウハウを部下・後輩に教える習慣は皆無。その結果、他の証券大手に IPO案件を取られていった。IPOに関わる業務のおそらく70%近くは、誰にでも再現できる行 動に具体化することができる。しかし、IPO職人のハイパフォーマーは、自分たちがやってい ることを特別のものとする傾向がある。当然、具体化はできないと口にする。そこで、弊社が 彼らの行動を観察。目に見える行動から思考パターンを推測し、標準化を1年かけ、進めて いった。合わせて、IPO職人の方々に、簡単な教える習慣づけを行い、具体的な言葉で話をす る行動習慣をつけていった。その結果、IPO案件の取りこぼし率が約30%から0%へ減少し た。
右記の1から6は、弊社が関わる前の状態。オペレーターとマネージャーの日々の行動 習慣化を変えこれらの状態を解消。CSは全拠点平均64%から93%まで向上。ESも向上
1. 各拠点の優秀な方々を集め、マニュアルを作成。そのマニュアルを各拠点に配布。トレー ニングを実施。しかし、1か月後にマニュアルを観るオペレーターは10人中1人程度
優秀な方は、自分がどのような行動を日々とっている言語化することはできません。日々取ってい る行動の90%以上は、習慣化、つまり自動化しているため、自分では、意識下に引き出すことはで きません。また、できる人へヒアリングをしても同じ結果です。そもそも、できる人達は、言語化 が不得手。そこで、行動の言語化が得意な人が、できる人の行動を観察し、言語化をする。これ も、結果はでません。言語化が得意な人は、できない人達の認知認識プロセスを理解できない。ま とめたマニュアルは、できない人が理解できない。もし、できない人が理解できたとしても、日々 の行動習慣に落し込むことはできない。
2. マネージャーが、部下の望ましい行動を増やすためにサンキューカードを導入。しかし、 マネージャーが部下へサンキューカードを渡すごとに職場の人間関係が悪化。
女性比率が75%を超える職場。女性比率が高くなると「なぜ、あの人にカードを渡して、私には渡 さないの?」。このような思いがあちらこちらで発生します。その結果、マネージャーと部下、部 下同士の間で、想像できないような陰口や悪口、マウンティング合戦が発生。
3. 個人の能力をあげるためのリーダーシップ力やセルフマネジメント力を引上げる取組みを 実施。その結果、できる人がよりできる人になり、できない人は何も変わらなかった。
そもそも、組織の構成員全てが、リーダーシップやセルフマネジメントができる必要はない。10人 中1人程度に、これらの能力を植付ければ良い。
4. 問題発生時に、なぜなぜ分析をし、対応策をレポートで提出させる。しかし、同じ問題が 繰り返し発生
問題を起こした本人に、原因分析をさせたところで、自己防衛できる原因を引き出すだけ。多くの 場合、職場環境に原因をもってくる。なぜなぜ分析をする際は、その当人の不足行動と過剰行動に 原因を帰結させるトレーニングを行う必要がある。
5. お客様からの入電後に、他部署へ情報を共有する。しかし、共有事項を具体的な言葉にす ることができず、共有が進まない。また、共有事項を他部署が観る行動習慣も不足。共有事項 の3割以上は「それは、そっち(センター)の仕事でしょ」と他部署が判断し、解決までの期間 が2週間から1ヶ月を要している。
そもそも、全オペレーターに具体的な言葉で記述する行動習慣を付けさせる必要はない。入力 フォームに入力する際に、負担感がなく入力できる状態をつくればよい。
6. 夜間対応の下位のオペレーターはお客様に「申し訳ございません」の言葉が言えない。
基本的な行動、業務のいろは。これらは「そんなことは、言わなくてもわかるはず」とマネー ジャーが判断。もしくは、そもそもマネージャーは、できないオペレーターと接触していない。し かし、マネージャーが教えたところで、オペレーターは、反発するか、「はい、わかりました」と 言葉を口にするだけ。行動習慣は変えない。
【私達が関わる前の状態】製品に附帯する年間保証(保険)サービスの粗利は7割を超える。当然、製品の粗利金額よりも高い。しかし、この附帯サービスを売ろうする販売員は、10人中1人程度。
困り果てた経営陣から依頼があり、以下を実施した。
ここまでを3年かけて実施。その結果、製品に附帯する年間保証サービスの販売率を組織全体で4%から37%まで引き上げることができた。その後、役職定年者、定年退職者のセルフマネジメントの行動習慣形成を開始した。
体験会申込数が毎月増加。未対応のお客様の数は350人以上。その数は、増えている。提供するサービスは事業環境の変化により”必需品”に変わった。今後、事業拡大が続くことは確実。その需要に対応するトレーナーが圧倒的に不足。また、残業代も増えていた。
なぜ、このようなことが実現できたのか。
3年間のコンサルティングで上記を実施。その後も、トレーナーと生徒の行動の負担感を下げるための環境デザインを最低でも毎月3時間を60で継続している。生徒と決める目標値は上がり、達成率も増加を続けている。また、”採用するトレーナーの基準値を下げる”こともできはじめている。企業向けの営業のやり方とつづけ方にも着手。
【以下、営業所長から頂いたお礼のご連絡メールの一部を抜粋】
この度は、大変お世話になっております。
先般からの「行動習慣形成シート」の最終報告を
3月6日完了、添付ファイルにてお送りさせて頂きます。
先生におかれましては、毎週、ご丁寧なご返信を頂き、
本当にありがとうございました。
今回、行動習慣形成シートを使わせて頂き、
私自身の部下への指導方法や感情の表出傾向について、
たくさんの気付きがありました。
特に、ネガティブワードにつきましては、その言葉を
受けた未成熟な社員に対しては、「過度の緊張感」や
「自信喪失」につながるだけでしたので、それに気づく
ことが出来たのが大きな成果と感じております。
今後も、こちらのシートを活用しながら、
マネージャーとしても、一人の人間としても
成長して行ければと思っております。
この度は、本当にありがとうございました。